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FXのレバレッジ(証拠金倍率)が”10倍”に引き下げ?【2017年9月30日速報】

金融庁が国内FXのレバレッジを10倍に引き下げる方針を発表

2017年9月金融庁が、日本国内のFX取引に対してさらなる規制に向けて始動していることを発表しました。

金融庁は外国為替証拠金取引(FX)の証拠金倍率(レバレッジ)を引き下げる検討に入った。現行の最大25倍から10倍程度に下げる案が有力だ。

(参考:日本経済新聞「FX証拠金倍率を引き下げ 10倍程度に、金融庁検討

2011年最大25倍までのレバレッジ制限から早7年、金融庁が更なるレバレッジ制限に踏み切ろうとしているのです。

そこで今回はトレーダーの反応(2chやSNS)や管理人の所感も交えながら、今回の金融庁の決断について思うところをツラツラ書いていきたいと思います。

 

金融庁がレバレッジ10倍への引き下げを検討するに至った背景・理由

まずは今回の金融庁の発表を整理しておきましょう。

  • 対象は国内の証券・FX業社の個人口座(法人口座は言及なし)
  • レバレッジの引き下げは10倍程度が目標
  • 2018年には内閣府令を改正して、引き下げ実現を画策

金融庁の主張としては「FX取引する人が増えすぎたから、もっと損失から守ってあげる必要がある」ということで、今回の決断に至ったようです。

 

国内のFX口座開設数は右肩上がり、取引高は5,000兆円に登る

2010年から国内FXの取引口座数は右肩上がりに伸びています。

2010年移行、FX取引の口座数は右肩上がり

(画像引用元:日本経済新聞

管理人にとってこの事実は衝撃的でした。

レバレッジ規制によって国内FX離れが進んでいるのかと思いきや、反対に口座数は増えてるとのこと。

口座数が増えた理由については定かではありませんが、おそらく各証券会社が広告に力を入れているのもあって、国内でのFXの認知度が高まったからでしょう。

 

レバレッジ引き下げの目的は「増えすぎたFXトレーダーを守るため」

金融庁は相場変動率を加味してレバレッジ10倍への引き下げを検討している

口座の母数が増えると、その分リスクを省みない投機的なトレーダーが増える可能性が高まります。

トレーダーが安全に取引できる環境を整備するために、レバレッジ引き下げによるリスクの限定を図ろうというわけです。

 

引き下げ目安が”レバレッジ10倍”になったのは、為替相場の変動率が加味されてのこと。

1985年以降でみると、主要10通貨の平均変動率は11.4%。元本がなくなるレバレッジは約9倍だ。

(参考:日本経済新聞「FX証拠金倍率を引き下げ 10倍程度に、金融庁検討

金融庁は、過去の値動きを加味して「どれだけ相場が大きく動いても、入金額以上の損失が発生しない」ような制度設計を目指しています。

 

レバレッジが25倍から10倍に引き下げられると、国内のFX取引はどう変わる?

①資金効率低下で稼げる利益が少なくなる

当たり前といえば当たり前のコトですが、レバレッジが引き下げられることで、資金効率は悪くなります。

実際に2chやツイッターでも「このレバレッジ引き下げはツライ」「FXやるメリットがなくなる」のような声が多数見受けられました。

レバレッジ引き下げに対する2chの反応

【ドル円(100円)で1万通貨エントリーするのに必要な証拠金】

  • レバレッジ25倍→4万円
  • レバレッジ10倍→10万円

昔レバレッジフリーで取引してたトレーダーにとっては、考えられない数字ですね。

 

またエントリーできる最大のポジションサイズが小さくなるので、同じ利幅を抜いた時の利益も少なくなります。

今まで通りの資金力で取引を続ければ、FXでの利益は単純計算で60%減)です。

口座資金5万円で取引、ドル円100銭の利幅を抜いた場合の利益を比較

レバレッジ10倍への引き下げが利益効率に与える影響

■レバレッジ25倍

  • 最大1万2500通貨でエントリーOK
  • 100銭抜いた場合の利益は1万2500円

■レバレッジ10倍

  • 最大で5000通貨でエントリーOK
  • 100銭抜いた場合の利幅は5000円

⇨獲得利益は40%(5000円÷1万2500円×100、60%減)になる。

 

②ロスカットの発生が増える

レバレッジ引き下げにより必要証拠金が増えるので、ロスカットまでに許容できる逆行pipsが少なくなる

さらに厄介なのは、必要証拠金の増加が原因で強制ロスカットが発生しやすい状況が生まれてしまうことです。

「レバレッジ引き下げによってロスカットが増える」という2chの書き込み

たとえば口座に10万円入金して、1万通貨(1枚)のドル円ポジションエントリーする場合を考えてみましょう。

【証拠金維持率50%でロスカット、許容できる含み損(相場変動)】

■レバレッジ25倍

  • 必要証拠金:4万円
  • エントリー時の証拠金維持率:10万円÷4万円×100=250%
    (※スプレッド加味なし)
  • 含み損が6万円(600銭の逆行)で証拠金維持率100%
  • 8万円の含み損発生で証拠金維持率50%

8円(800銭)逆行するまでポジション保持OK

■レバレッジ10倍

  • 必要証拠金:10万円
  • エントリー時の証拠金維持率:10万円÷10万円×100=100%
    (※スプレッド加味なし)
  • 含み損が5万円(500銭の逆行)で証拠金維持率50%

5円(500銭)逆行するまでポジション保持OK

 

3円分相場の変動に耐えられなくなる

今よりも頻繁にマージンコール、ロスカットアラートが鳴る状況は避けられません。

 

レバレッジ引き下げに対する管理人の所感まとめ

正直今回の件は海外FXを生業にしている管理人にとっては痛くも痒くもありません。

また金融庁の過保護が始まったな…」と高みの見物をしていたところです。

レバレッジを引き下げることで自動損切り(ロスカット)の基準をきつくして、損切りできないトレーダーを守ろうとしているんでしょうね。

(それなら海外FXのように「追証なしのゼロカットシステム」を導入した方が話が早い気がするんですが…)

 

今回の規制強化が実現すれば、国内FXでの現役トレーダーが今よりもさらに稼ぎにくい状況に陥ってしまうことは間違いありません。

資金力があるファンド、金融機関にとっては取るに足らない影響かもしれませんが、資金が乏しい、個人・兼業トレーダーにとっては明らかな「改悪」です。

個人と法人でエントリーポジションの差が広がっていくことになるので、より一層「個人不利・法人有利」の構図が定着することになります。

 

さすがに今回のレバレッジ引き下げで、トレーダーの国内FX離れは加速するでしょう。

ついに「10~15倍程度の”ローレバ”取引でも海外FXで口座を開設しないといけない時代」が到来したと言えます。

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※レバレッジ引き下げに関する新しい情報が入り次第、このページに追記したいと思います







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